半年ぶりのkeywordである。HPのトップページに掲載されている中の最後に残った項目だが、これで完結ではなく、パーマカルチャーのkeywordはまだ暫く続けようと思っている。
この項目は他のkeywordと重なっているところもあり、別の観点を探していたが、一応締め括りとして前半・後半に分けて根本問題に触れてみたい。そこで
『ローカリゼーション』に焦点をあててみようと考えた。
ここでまず思い出すのが、ヘレナ・N・ホッジ著の
『ラダック 懐かしい未来』だ。
エコビレッジ運動の原点となるような本で、読んでいる方も多いと思うが、この閉塞感漂う現在の日本の状況では一読に値する。
我らパーマカルチャーの活動もそうだが、この本の最終目標は
≪持続可能な平和で幸福な社会づくり≫である。
今まで、モノが豊富で、便利で快適な生活が「幸福」になることと
信じて邁進して来た。これには戦後世界をリードして来た米国がモデルとなった。
しかし、この国は「奴隷制度」を前提に発展してきたグローバル集団で、自己責任が貫徹され、人情味はかけらもない。また、戦争を外交の手段としているようで、自国の価値観を押し付けるお節介な
「
グローバリゼーション」の代表国である。
(アメリカ人はモチロンこんな人達ばかりではなく、扇動者は極一部の人達であろう。個人的にはアメリカは好きだし、アメリカ人も決して嫌いではない)
しかし、最近になってこのグローバリゼーションの価値観がどうも違うのではないかと人々が気付き始めたのだ。
幸福はGDP(国内総生産)・GNP(国民総生産)の物の豊富さだけで測るのではなく、これに変わり
GNH(国民総幸福度)を基準にしてはどうかと模索が続いている。
幸福を決める要素は次の9項目であるとし統計を取っている。
1、心理的幸福 2、健康 3、教育 4、文化 5、環境 6、コミュニティ 7、良い統治 8、生活水準 9、自分の時間の使い方
これによると、世界ランキングの
1位はデンマークで、2位はスイス、3位オーストリア、4位アイスランド、5位バハマ、6位フィンランド、7位スウェーデン、8位にブータンと続き北欧とか辺境の国とかが出てくるが、先進国はなかなか出てこない
ちなみに、戦後我が国のモデルになった憧れの
アメリカは23位、35位ドイツ、41位イギリス、62位フランス、82位中国、そして
90位にやっと日本が出てきた。
なにせ、
先進国の人々は自分は幸福だとは感じていないのである。
これでも相当衝撃的なのだが、事態はもっと深刻なようで、アメリカはもとよりGNH1位のデンマークでさえも相当社会的に歪みが起こっているというのである。
アルコール依存、薬物汚染やホームレス・自殺者の増加等の問題。また、福祉が充実しすぎて、子供たちが年老いた親の元に訪ねてこないようで、何の不自由もない老人達が淋しく暮らしているらしい。
それは、生活にまつわる日常の行事の
アウトソーシング(外部化)にあるようだ。つまり、コミュニティが喪失しているのである。
経済が豊かな先進国で今、問題になっているのは
1、家庭崩壊 2、学級崩壊 3、いじめ 4、格差 5、無関心 6、老人の孤立 7、自殺 等々である
これらに、共通するものは
「コミュニティの欠如」である。
つまり、
人と人の繋がり=支え合いがないのである。
グローバル化の波は津波以上に人を分断するようだ。
グローバル化は過密都市を生み出し、競争を煽り、毎日アクセクと快適で便利な生活を夢見て働いて、人を大事にしない風潮を生みだした。
過密都市は当然ながら、食料生産の場を外部に追い出し、莫大なエネルギーを必要とし、原子力や化石燃料エネルギーがなければ動かない建造物や物を造りだした。また、膨大なゴミとCO2を垂れ流し、環境の悪化を招いている。
という現状認識が前半で、長くなるので、ローカリゼーション(持ち込まない・持ち出さない)が何故必要かは後半で・・・・