てぃーだブログ › パ―マカルチャー  in the age of “AI・BI・CI” › 建築 › バイオシェルター そして リビングマシン

2013年11月21日

バイオシェルター そして リビングマシン

 J.トッド氏が妻のナンシー・J・トッドと書いた「バイオシェルター」は1988年に工作舎から出版された本だ。副題は「エコロジカルな環境デザインをもとめて」その頃はモダンデザインの情報に埋もれて建築設計活動していたが、オルタナティブな考え方を求めていた時だったので、興奮して読んだことを思い出す。
 私のパーマカルチャーへのルーツはこの本かも知れない。本の帯に「21世紀の居住環境はどうあるべきか?-B・フラー、G・ベイトソンらが歴史的一書と絶賛」・・とある。
 当時はフラーやベイトソン、一連の工作舎の本、ニューサイエンス等々に強い関心を持っていた。訳者の芹沢高志もB・フラーの「宇宙船地球号 操縦マニュアル」の中にフラーの年譜や注釈を書いていて本屋で見た瞬間買ってしまった。
バイオシェルター そして リビングマシン

 私は小学生の頃、隣に建っていた住宅の工事現場を見に行くのが好きで、その頃より住宅プランを描いていたりして建築家になりたいと思っていた。
 20歳の頃1967年モントリオール万博の「アメリカ館」設計B・フラージオデシックドームに魅せられた。直径76mの透明の球体の中に都市が出現していた。彼はただの技術者ではなく、「ワールドゲーム」にもみられるように地球そのものを「豊かな居住空間」が出来るようにデザイン革命を提唱した建築家でもあり、思想家、発明家、詩人・・とマルチな才能の持ち主で20世紀のダヴィンチとも言われている。
バイオシェルター そして リビングマシン

 そのフラーに大きな影響を受けたJ・トッド夫妻が1969年に起こした研究機関が「ニューアルケミー研究所」。場所はUSAのマサチューセッツ州ボストンの東岸にあるケープゴット岬で、そこでの成果を表した本が「バイオシェルター」である。
 パーマカルチャーを知る遥か以前に出会った生物学を取り込んだエコロジカルな環境デザインを目指した本であった。夫J・トッドは海洋生物学者、妻ナンシーはパラダイム論の編集者で
「人間と生物が共生するためのコミュニティデザイン」
「農業と文化を融合する環境デザイン」 を目指した。本のコンテンツを掲げると。

  第1章:バイオシェルターへの道
  第2章:バイオロジカル・デザインの指針
  第3章:コミュニティの再デザイン
  第4章:ガイアと農業

 パーマカルチャーとほぼダブル内容である。パーマカルチャーを目指す人はこのコンテンツを見ただけで読みたくなるのではないだろうか?
 ビル・モリソンが「パーマカルチャー」を提唱した時期とほぼ重なり、この頃地球環境の異変に気付いた多くの学者や、感性の鋭い人達の意識が永続可能な地球環境・地域環境を再デザインしなければという方向に舵を切っている。

 その後J・トッド氏は21世紀に入って、次なるミッションに向かっていた。2009年7月オメガ・センター「Omega-Center for Sustainable Living(OCSL)」での「リビングマシン」と言われる『Eco-Machines』というシステムである。
バイオシェルター そして リビングマシン

 この建物の中に「水と植物、バクテリア、藻、カタツムリ、、菌類など」を巧みに組合せ、人間の排泄物や汚水を全て浄化するシステムを組み込んであり、全エネルギーを太陽光発電システムでまかない、草屋根や自動換気システム、地熱を活用してクールチューブ・ホットチューブ。環境に配慮した建築素材を使用し総合的な持続可能な建物としてデザインされた。
バイオシェルター そして リビングマシン

 まだ、これに関して詳しい情報はあまり無いのだが、本やサイトで詳しいことが解ることを期待しよう。

 もう少し知りたい方は下記のサイトが参照できます。

 https://www.eomega.org/omega-in-action/key-initiatives/omega-center-for-sustainable-living


同じカテゴリー(建築)の記事

Posted by 半農半Xの仕掛け人 at 13:04│Comments(0)建築
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。