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2016年11月26日
パーマカルチャーの世界③-3 縁・願
■〈縁〉から〈願〉へ
人の暮らしに必要な(これなしでは生きて行けない)ものとして「衣食住」と「医職充」がある。食や子育てに関しては人類のみならず、あらゆる動植物や微生物まで行っていることであるが、人類は文化を育み衣・住・職・充までつくりだした。
しかし、これらは自分単独では決して獲得できず、周りの人達の思いやりや関わりが必要不可欠で、これを〈縁〉と呼ぶことにしよう。
しかし人にはもう一つの局面がある。「衣食住」や「医職充」が十分に満足されたとしても人間は決して満足できない欲求を持つことに気付く。 資産が十分にあり働かなくても美味しいものをタラフク食べて遊んで寝るだけの生活に人は満足するだろうか?これは決して贅沢な悩みではなく、人は面白いことに暇なことは多忙より苦痛を感じるようである。この正体は一体なんであろうか?
これを求めるココロを〈願〉と呼ぶことにしよう。
生きる真の意味を考えること・・・
人類は太古の昔から休みなく争いを続けてきた。「衣食住」と「医職充」を獲得するためである。残念ながら今でも世界の多くの場所で繰り返えされている。
また、エコロジカル・フットプリントによれば世界人口70億人の人達が日本人と同じ生活を営めば地球が2.4個。米国人と同じ生活を営めば地球が5.3個必要と言われていて、政治家が公約し多くの人が期待している経済発展の暮らしを続けていくのは困難に思われます。
しかし、IT技術の発達もあり多くの情報を人類が共有し始め、意識が向上している人が多くなって、世界が大きく変わろうとしている。
キーワードは「永続可能性」
これを実現するには我々のライフスタイルはどうあったらいいのか。どういうココロの持ち主であったらいいのか・・・
一緒に考えていきましょう。
人の暮らしに必要な(これなしでは生きて行けない)ものとして「衣食住」と「医職充」がある。食や子育てに関しては人類のみならず、あらゆる動植物や微生物まで行っていることであるが、人類は文化を育み衣・住・職・充までつくりだした。
しかし、これらは自分単独では決して獲得できず、周りの人達の思いやりや関わりが必要不可欠で、これを〈縁〉と呼ぶことにしよう。
しかし人にはもう一つの局面がある。「衣食住」や「医職充」が十分に満足されたとしても人間は決して満足できない欲求を持つことに気付く。 資産が十分にあり働かなくても美味しいものをタラフク食べて遊んで寝るだけの生活に人は満足するだろうか?これは決して贅沢な悩みではなく、人は面白いことに暇なことは多忙より苦痛を感じるようである。この正体は一体なんであろうか?
これを求めるココロを〈願〉と呼ぶことにしよう。
生きる真の意味を考えること・・・
人類は太古の昔から休みなく争いを続けてきた。「衣食住」と「医職充」を獲得するためである。残念ながら今でも世界の多くの場所で繰り返えされている。
また、エコロジカル・フットプリントによれば世界人口70億人の人達が日本人と同じ生活を営めば地球が2.4個。米国人と同じ生活を営めば地球が5.3個必要と言われていて、政治家が公約し多くの人が期待している経済発展の暮らしを続けていくのは困難に思われます。
しかし、IT技術の発達もあり多くの情報を人類が共有し始め、意識が向上している人が多くなって、世界が大きく変わろうとしている。
キーワードは「永続可能性」
これを実現するには我々のライフスタイルはどうあったらいいのか。どういうココロの持ち主であったらいいのか・・・
一緒に考えていきましょう。
2016年11月25日
パーマカルチャーの世界③-2 倫理(心掛け)
■パーマカルチャーの三つの基本コンセプト
➊モノ(Hard)・・・・ 永続可能な環境づくりの統合的デザイン体系
❷コト(Soft)・・・・・自分も人も活かすライフスタイルのデザイン
❸ココロ(Heart)・・・ピースフルに繋がるコミュニティのデザイン
このように私たちのリアルな日常の生活(衣食住、医職充等々)の全てに渡って「永続可能な文化」を育んでいこうとするもので、思想や教義だけではなく、日々の生活に密着した『具体的なコトやモノ』において美しくそしてピースフルにデザイン、実践していこうとするものである。
■パーマカルチャーの倫理:パーマカチャーでは常に次の3項目を心掛けている。
①地球への思いやり(Care for the earth)
地球が他の星にない特徴は「生命の存在」である。それは進化する意志を備え多様化を志向している。人は進化の過程で森から食糧とエネルギーを得ていた。森のように全ての生命を思いやり、共に繋がることにより私たちの生活空間もより豊かになっていく。
②人々への思いやり(Care for the people)
真に格差のない自由・平等な「社会」を築き、豊かな恵みを提供し続ける「自然」の循環の中で共生し、孤立しないで仲良く繋がり合う「コミュニティ」を形成し、人間ならではの統合された「文化」を共に創って行く暖かい家族のような空間を築く。
③資源の分かち合い(Share of the resources)
自立した人(百一匠)になり合って、全ての人々を豊かにする経済のあり方「ギフトエコノミー」への転換を志し自分の人生を豊かに使う。自然と人の恵みを特定の人間や集団が独占する経済の仕組みから脱却し、全ての人々が資源を共有しながら、より豊かなものへと育ててゆく。
■永続する文化の創造
生命は個として、種として、又生態系として進化し続ける。個の死や種の消滅を超えて生き続けることが生命の本質で、事実、環境との共進化で実際に具体化されている。
人間の「理性と感性」の統合に基づく想像力と創造力の相互触発により、愛・調和の永続する社会の実現を人々は願っている。
人にはその人にしかない天職(X)があり、個人的趣味に沈殿することなく、コミュニティに結びつくことで、その人は活かされ、文化の生成過程に共に参加し、生きている意味を実感し、個人と地域が尊重されるかつてないホリスティックな新しい「文化」が現れる。
みんなでつくっていこう
➊モノ(Hard)・・・・ 永続可能な環境づくりの統合的デザイン体系
❷コト(Soft)・・・・・自分も人も活かすライフスタイルのデザイン
❸ココロ(Heart)・・・ピースフルに繋がるコミュニティのデザイン
このように私たちのリアルな日常の生活(衣食住、医職充等々)の全てに渡って「永続可能な文化」を育んでいこうとするもので、思想や教義だけではなく、日々の生活に密着した『具体的なコトやモノ』において美しくそしてピースフルにデザイン、実践していこうとするものである。
■パーマカルチャーの倫理:パーマカチャーでは常に次の3項目を心掛けている。
①地球への思いやり(Care for the earth)
地球が他の星にない特徴は「生命の存在」である。それは進化する意志を備え多様化を志向している。人は進化の過程で森から食糧とエネルギーを得ていた。森のように全ての生命を思いやり、共に繋がることにより私たちの生活空間もより豊かになっていく。
②人々への思いやり(Care for the people)
真に格差のない自由・平等な「社会」を築き、豊かな恵みを提供し続ける「自然」の循環の中で共生し、孤立しないで仲良く繋がり合う「コミュニティ」を形成し、人間ならではの統合された「文化」を共に創って行く暖かい家族のような空間を築く。
③資源の分かち合い(Share of the resources)
自立した人(百一匠)になり合って、全ての人々を豊かにする経済のあり方「ギフトエコノミー」への転換を志し自分の人生を豊かに使う。自然と人の恵みを特定の人間や集団が独占する経済の仕組みから脱却し、全ての人々が資源を共有しながら、より豊かなものへと育ててゆく。
■永続する文化の創造
生命は個として、種として、又生態系として進化し続ける。個の死や種の消滅を超えて生き続けることが生命の本質で、事実、環境との共進化で実際に具体化されている。
人間の「理性と感性」の統合に基づく想像力と創造力の相互触発により、愛・調和の永続する社会の実現を人々は願っている。
人にはその人にしかない天職(X)があり、個人的趣味に沈殿することなく、コミュニティに結びつくことで、その人は活かされ、文化の生成過程に共に参加し、生きている意味を実感し、個人と地域が尊重されるかつてないホリスティックな新しい「文化」が現れる。
みんなでつくっていこう
2016年11月18日
パーマカルチャーの世界③-1 倫理(心掛け)
■パーマカルチャーの根幹
・永続可能:自分の思考(思い・考えていること)と行為(なすこと・行うこと)が永続可能なことであるかどうか。
・循環:自然のシステムは循環を基本にしていて、留まることもなく無くなることもなく常に変化している。ここにココロを合わせる。
■新たな「文化」の構築(モノ、コト、ココロ)
永続可能で豊かで楽しい人生にする為に、今までの先入観や固定観念を見直し、新しい「文化」を育む
私たちの生活空間の周りには社会環境とそれを包んで自然環境があり、普段はあまり意識されないが、全ての人は否応なくこれらにより人間観・社会観・自然観つまりその人なりの「世界観」を築いている。この観念を「永続可能な文化」に高めるためにパーマカルチャーの精神を学んで行きたい。
私たちのリアルな暮らしは「モノ」と「コト」で埋め尽くされている。ここではモノとは物質全般のことで、コトとは人のなすこと(人為)全てを指している。例えば・・
◆仕事(コト)をして衣食住(モノ)を手に入れたり、また学んだり遊んだり眠ったり等々、人は常に何か「コト」をしている。
◆モノも自然物と人工物とほぼ無限にある。その中からその都度選択しながら生きて行く訳だが、その元となっている判断の基準が「文化」との応答により培われたそのヒトの「ココロ」である。
◆ココロとは一般的に「精神作用」つまり知識、観念、記憶、思考、知恵、感情、意志、等々の総体を指している。あまり意識的ではないし、正しいこと当り前のことと思っているが、どんなココロかによって、自ずと行為(コト)が変わってくるし、選ぶモノも変わってくる。今ある自分の世界は「ココロ」がつくりだしているといっても良いだろう。
◆自分を調べ、自分を知り、自分を変える
本当は人は楽しく平和に過ごしたいのだが、悩み(苦しみ)は尽きないようである。この時自分のココロに向えば解決するのだが、とっさに相手や状況・条件等、他のせいにしがちである。特に「人のせい」にして解決したようにすることが多い。
元の自分のココロをそのままにして周りを変えようとしても無理があり、苛立ちと不満が充満し気分がスッキリしない暗く悲しい人生となる。本人も本当は望んではいないのに何故こうなるのか、ここは一言では言い尽くせない内容があるが、一言で言えば日常を離れてゆっくりとココロを高める本を読むあるいは学びの場で「自分を調べる習慣」を身に着けよう。ここが解決すれば快適で愉快な人生になる。
このことについては又、別の機会に譲りましょう。
次回に続く
・永続可能:自分の思考(思い・考えていること)と行為(なすこと・行うこと)が永続可能なことであるかどうか。
・循環:自然のシステムは循環を基本にしていて、留まることもなく無くなることもなく常に変化している。ここにココロを合わせる。
■新たな「文化」の構築(モノ、コト、ココロ)
永続可能で豊かで楽しい人生にする為に、今までの先入観や固定観念を見直し、新しい「文化」を育む
私たちの生活空間の周りには社会環境とそれを包んで自然環境があり、普段はあまり意識されないが、全ての人は否応なくこれらにより人間観・社会観・自然観つまりその人なりの「世界観」を築いている。この観念を「永続可能な文化」に高めるためにパーマカルチャーの精神を学んで行きたい。
私たちのリアルな暮らしは「モノ」と「コト」で埋め尽くされている。ここではモノとは物質全般のことで、コトとは人のなすこと(人為)全てを指している。例えば・・
◆仕事(コト)をして衣食住(モノ)を手に入れたり、また学んだり遊んだり眠ったり等々、人は常に何か「コト」をしている。
◆モノも自然物と人工物とほぼ無限にある。その中からその都度選択しながら生きて行く訳だが、その元となっている判断の基準が「文化」との応答により培われたそのヒトの「ココロ」である。
◆ココロとは一般的に「精神作用」つまり知識、観念、記憶、思考、知恵、感情、意志、等々の総体を指している。あまり意識的ではないし、正しいこと当り前のことと思っているが、どんなココロかによって、自ずと行為(コト)が変わってくるし、選ぶモノも変わってくる。今ある自分の世界は「ココロ」がつくりだしているといっても良いだろう。
◆自分を調べ、自分を知り、自分を変える
本当は人は楽しく平和に過ごしたいのだが、悩み(苦しみ)は尽きないようである。この時自分のココロに向えば解決するのだが、とっさに相手や状況・条件等、他のせいにしがちである。特に「人のせい」にして解決したようにすることが多い。
元の自分のココロをそのままにして周りを変えようとしても無理があり、苛立ちと不満が充満し気分がスッキリしない暗く悲しい人生となる。本人も本当は望んではいないのに何故こうなるのか、ここは一言では言い尽くせない内容があるが、一言で言えば日常を離れてゆっくりとココロを高める本を読むあるいは学びの場で「自分を調べる習慣」を身に着けよう。ここが解決すれば快適で愉快な人生になる。
このことについては又、別の機会に譲りましょう。
次回に続く
2016年11月10日
パーマカルチャーの世界⓶-2 原点
建築家としても有名なバックミンスター・フラーの「宇宙船地球号操縦マニュアル」の日本語訳本が1985年に出版された。
そして、2006年「パーマカルチャーしよう!」糸長浩司監修の日本初の本が紹介された。パーマカルチャーの全体をカバーし入門書としてとても読みやすい本なので一読をお勧めします。
人は本能に無自覚ではあるがシッカリ支配されている原点である。
ガイア仮説:1960年代NASA(アメリカ航空宇宙局)のあるプロジェクトで大気学を研究していたジェームズ・ラブロック教授が提唱したもので、地球に生存する全ての生態系が一つの生命体ではないかとする魅力あふれる仮説である。
地球に住む生き物(生命体)は大きく分けると3種類で、それぞれ役割があり密接に繋がっている。
植物は「生産者」、動物は「消費者」、微生物が「分解者」と呼ばれる。
まず生産者としての植物は太陽(光・熱)、雨(水)、空気(CO2)、土壌等の地球自然環境の中で生育しそれを動物が食糧として生きている。動物の中には肉食系もいてそれぞれ保ち合い数のバランスがとれて生存が維持されている。
その動物達の排泄物や死骸、また植物の亡骸等も微生物が分解して土に戻し、その中に含まれる栄養素等が植物の根によって吸収され育ち、それをまた動物が食べる大きな循環になっている。このように密接な関係性の中で相互作用を繰り返し環境と共進化しながら
共存している。
そして、生き物には「本能」と呼ばれるもの(意識・意志=生命)が備わっている。
1、個の保存:命がある限り生き続けて行く
2、種の保存:子孫を残し、命を次代に繋ぐ
人類も同様で、思い為すことほとんどはこの本能で説明できるが、知能が進化した人間は少し異なる様相を呈していて、マズローが分析したように「社会的な欲求」や「自己実現の欲求」等が加わって様々な現象が見られる。が、やがて、長い歴史の中で脳が進化し人類の中にもう一つの本能が加わった。
3、人が喜ぶと嬉しい
これは「共感」と言われ人間以外の動物には見られない。1と2が「自利」であるとすれば、3は「利他」と呼べるもので、1とは反対の概念が併存していることになる。
仏教では「自利利他」と言われ、自分が幸せになってから他の人を幸せにする。ではなくて、他の人を幸せにすることで(ついでに)自分が幸せになるという意味だそうである。
まさに、パーマカルチャーの原点はここにあるのではないか。
ここを外すと正義感や名誉が先行し、訳が解らなくなるので心したいものである。
そして、2006年「パーマカルチャーしよう!」糸長浩司監修の日本初の本が紹介された。パーマカルチャーの全体をカバーし入門書としてとても読みやすい本なので一読をお勧めします。
人は本能に無自覚ではあるがシッカリ支配されている原点である。
ガイア仮説:1960年代NASA(アメリカ航空宇宙局)のあるプロジェクトで大気学を研究していたジェームズ・ラブロック教授が提唱したもので、地球に生存する全ての生態系が一つの生命体ではないかとする魅力あふれる仮説である。
地球に住む生き物(生命体)は大きく分けると3種類で、それぞれ役割があり密接に繋がっている。
植物は「生産者」、動物は「消費者」、微生物が「分解者」と呼ばれる。
まず生産者としての植物は太陽(光・熱)、雨(水)、空気(CO2)、土壌等の地球自然環境の中で生育しそれを動物が食糧として生きている。動物の中には肉食系もいてそれぞれ保ち合い数のバランスがとれて生存が維持されている。
その動物達の排泄物や死骸、また植物の亡骸等も微生物が分解して土に戻し、その中に含まれる栄養素等が植物の根によって吸収され育ち、それをまた動物が食べる大きな循環になっている。このように密接な関係性の中で相互作用を繰り返し環境と共進化しながら
共存している。
そして、生き物には「本能」と呼ばれるもの(意識・意志=生命)が備わっている。
1、個の保存:命がある限り生き続けて行く
2、種の保存:子孫を残し、命を次代に繋ぐ
人類も同様で、思い為すことほとんどはこの本能で説明できるが、知能が進化した人間は少し異なる様相を呈していて、マズローが分析したように「社会的な欲求」や「自己実現の欲求」等が加わって様々な現象が見られる。が、やがて、長い歴史の中で脳が進化し人類の中にもう一つの本能が加わった。
3、人が喜ぶと嬉しい
これは「共感」と言われ人間以外の動物には見られない。1と2が「自利」であるとすれば、3は「利他」と呼べるもので、1とは反対の概念が併存していることになる。
仏教では「自利利他」と言われ、自分が幸せになってから他の人を幸せにする。ではなくて、他の人を幸せにすることで(ついでに)自分が幸せになるという意味だそうである。
まさに、パーマカルチャーの原点はここにあるのではないか。
ここを外すと正義感や名誉が先行し、訳が解らなくなるので心したいものである。