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Posted by TI-DA at

2012年05月31日

働き蟻の法則

 夏の暑さの中で、行列を組み一生懸命食べ物を運んでいる列の中をよくよく観察すると、実際運んでいる蟻は2割程度で、あとはただプラプラ歩いているだけ、中には、あろうことか運んでいる蟻を妨害している蟻もいる。このことからこの現象を「働き蟻の法則」と名付けられた。



 人は一人では生きられないので、社会を造って生きている。小さな部落から大都市まで規模は様々だが、生活して行く上で楽しくない時や社会に不平タラタラの人もいるが山奥や絶海の離れ島等に移住する人はいない。

 また、その社会の中でも日頃は、ある組織やグループ集団に属している。会社、学校、町内会、研究会、スポーツや趣味の仲間、NPO活動グループ・・・等々

 しかし、このグループ(組織)をつくった途端に「働き蟻の法則」or「働き蜂の法則」が発生する。別名「2-6-2」の法則ともいう。

 
 最初はその組織やグループの目的・理念等に同意して集まったのだが、その中でもより強く推進しようとする集団が2割、そしてその勢いに圧倒されてかヘソを曲げたり、アンチに転向する集団が2割、そしてどっちでもいいやという中間層の日和見集団が6割という構成になるようである。



 これはどんなグループ(組織)にも当てはまる法則である。
例えば、民主党も消費税のことでこんな様相を呈しているし、正義や社会貢献をやろうと意気込む人達もなぜかそうなる。良い悪いではなくそうなる。

 こうなるであろうことは解っていても、実際そういう状況に直面すると、やはり切なく悲しい。推進者以外の8割はほとんど他人事なのだ。
 
 しかし、ここで面白いことは、2割の推進者達だけを集めて精鋭のプロジェクトを組めば、その中でもやはり、「2-6-2」のグループに分かれてしまうのだ。

 また、そのバリバリの推進者の人達も、他の別の組織・グループに入れば他人事グループに入ったりする。とても面白い現象なのだ。本当に人の心はコロコロ変わるもである。
 あの偉大なキリストでさえ裏切る人が出る。ましてや凡人のわれらがソッポ向かれたり、裏切られるくらいは当り前びっくりくらいに考えていた方が良いのかも知れない。

 以前、北部WSでよくお世話になった「八重岳ベストライフ・センター」の壁にマザー・テレサの言葉が掲げられてあった。とても素晴らしい言葉で、さすがに貧しい人達の為に働き続け、生涯を愛に捧げた人の言葉だけあって重く、心に残った。



  人は不合理、非論理、利己的です。
   気にすることなく、人を愛しなさい。

  あなたが善を行うと、利己的な目的でそれをしたと言われるでしょう。
   気にすることなく、善を行いなさい。

  目的を達しようとする時、邪魔立てする人に出会うでしょう。
   気にすることなく、やり続けなさい。

  善い行いをしても、おそらく次の日には忘れられるでしょう。
   気にすることなく、善を行いなさい。

  あなたの正直さと誠実さとが、あなたを傷つけるでしょう。
   気にすることなく正直で誠実であり続けなさい。

  助けた相手から恩知らずの仕打ちを受けるでしょう。
   気にすることなく、助けなさい。

  あなたの中の最良のものを世に与え続けなさい。蹴り返されるかも知れません。
   気にすることなく、最良のものを与え続けなさい。



 推進派が常に自覚しておく必要のある言葉だ。とても勇気づけてくれる言葉である。
 

 しかし、「自然には不必要なものは無い、全て存在理由がある」とよく言われる。では何故こういう「2-6-2」なる階層が出来るのであろうか?

全滅しない自然のシステム
 
 人間は不完全な知覚器官しか持たず、情報を処理する頭脳もそうたいした性能ではない。
 こころも、日替わりでコロコロ変わるし。このような人間が真実や正義をとらえたと思っても本当かどうかは解らない。
 このことを踏まえたうえで、推進派が行こうとする方向に、もし間違いがあったら、その集団は全滅となる。そんなことにならないように、自然は反力(アンチ)を用意してくれているのではないか? そんなことを考えさせてくれる本がある。


進化生物学者 長谷川英祐著  メディアファクトリー新書

 蟻の行列からも学ぶことは多い

 やはり、やはり自然は奥深いびっくり!!

  


Posted by 半農半Xの仕掛け人 at 13:23Comments(2)生き方・考え方

2012年05月24日

今、三重県が面白い、凄い!・・・②ゴーリキマリンビレッジ

ここの主宰者の大塚隆さんは、マリンスポーツを本業としながらも、日本の農業を根底からリフレッシュするために「協生農法」を提唱されている。

海洋学を修めていながら、うるま市の玉栄さんのように、農業に転向あるいは目指す方が多いのは何故か?

森は海の恋人」・・・気仙沼の漁師の方々が海にそそぐ大川上流の室根山の落葉広葉樹の森を守る運動の標語だ。

地球上の生命は単独では成り立たず、全てが繋がり合っているということだろう。海を良くしたいなら、まず森から・・・



昨年の晩秋、ありんこ農苑の雅子さん達と一緒に伊勢市大湊町にあるワークショップの「ムー農園収穫体験&ランチ」に出かけた。





大塚隆さんは以前【kw11】で紹介したように「野人」と自称してはおられるが、実は相当に凄い方で海洋学はじめ物理学数学自然科学魚貝・動物・植物学全般、航海潜水船舶設計・・・食文化農業に精通しておられる。



畑は1反(300坪)ほどだが、一見畑とは思えないほど色んな植物が混植している。訪れた12月上旬は初冬で、そろそろ他の農家の畑は収穫を終える時期で淋しい頃だが、ここは野菜たちが生茂っていた。

最初は「ピラミッド農法」と命名されたが、現在は「協生農法」と名付けられている。
環境の整地、栽培方法、収穫方法さらに販売方法まで含めたこれからの農業のあり方の提唱で、もちろんパーマカルチャーの食料自給にも大いに参考になる。

  ①近代農法の10倍以上の生産高
  ②365日、同量の収穫が可能
  ③種以外維持費がかからない (これも自家採種すれば経費はかからない)
  ④労力は 収穫9割、管理1割 (現行の1/10)
  ⑤土地効率が抜群で、300坪で十分 (採算が取れる)(普通は2,000坪程必要)
  ⑥農山村の高齢者でも楽に農業が営める
  ⑦大地が生み出すものは野菜だけではない

という画期的な農法で、農家の高齢化過疎化環境問題健康問題食料自給率水不足砂漠化世界の飢餓等あらゆる分野に貢献できるということだ。

栽培方法としては、「アグロフォレストりー
パーマカルチャーのいう≪食べられる森づくり≫と同じ畑に『森の仕組』を取り入れたやり方で、数m間隔に果樹全種を植えているし、
周囲のフェンスには蔓性果樹、木の実、豆類等を混生、群生、畝も立体的に使っている。自然仕組みを壊さず、人の知恵を持って関与する自然循環農法だ。しかも、生産高は近代科学農法の10倍以上、労力は1/10というから凄い!

ただ、農園の植付設計(デザイン)には「自然科学」「海洋学」「生物学」「物理学」「数学」の素養が必要らしい。



農(自然)は奥深いふたば ・・・、多収穫(自己欲)を願うと足し算の忙しい農作業になって、栄養価の乏しい野菜、環境まで悪化する農業になる。

自然をよくよく観察して、自然の仕組に即した叡智ある農業にすれば豊作が長期に続く・・・この方が良いのでは?と『野人』は提唱しているのだ。

心が動いた方は「野人エッセイす」大塚隆著 精読をお勧めします。
  


Posted by 半農半Xの仕掛け人 at 13:45Comments(1)その他

2012年05月16日

必要・必然・最善

一年以上書くのを延ばして来たが、そろそろ書いても良い頃か・・・
この「必要・必然・最善」という言葉を聴いて20年くらいになる。
その頃カリスマ経営コンサルタントで有名な船井幸雄氏率いるフナイオープンが盛況を極めようとしていた時期で、多くの素晴らしい人たちの考え方に接することが出来た。
船井氏も多くの著作を残しその中に出てきた言葉である。
何故か、20年経った今でもよく思い出される。



今まであなたに起きたことは全て「必要・必然・最善」であった。
嬉しかったことも、苦々しかったことも、全てその時のあなたにとっては、とても必要なことであったし、たまたま起きたことではなく必然に起こったことで、しかもそれが最善の出来事であった。と云うのである。
また、これから起こるであろうことも、やはりあなたにとって「必要・必然・最善」である。幸福に感じることも、不幸に感じることも全てあなたにとって、とても必要なこととであり、起こって当然のことでしかもベストの出来事である。

必要・必然までは何とか認めても、最善とはなかなか思えない、そんな声が聞こえて来そうなのだが・・・ムカッ

「私たちは何のためにこの世に生まれて来たのか?」・・・・人生の大問題で、多くの偉人、賢人、聖人、哲学者が考えて来たが結論は出ない。つまり解らないのである。
しかし、考え方心の持ちようで人生はバラ色にもなるし灰色にもなる。

人を構成しているのは「心=意識」「身体」の二つである。チョキ

心は 「欲求、感情、思考・・・」(見えない)
身体は「言動、行為・・・」   (見える)

「意識」と抽象的に表現したのは「心」以外に「魂」や「霊」なる概念も含みたかったからである。しかし、これらの言葉は意味が付与しすぎて曲解されがちであるから意識と表記している。



さて、「私たちは何のために生まれて来たのか?」・・・今、私は

「意識の成長・進化」と捉えている。

如何に「執着=自分の考え」を放し、「一体=一つ=as one」を体得できるかに掛かっているのではないか。

その為に身体をもってこの世に生まれた。身体があるからいろんな衝動(欲望、感情、思い・・・)が出てくる。試されているのだ。
つまり起きていることは「必要・必然・最善」なのである。

生きていると、いろんな問題に遭遇する。一つ解決しても、また出てくる、その人の意識のレベルに合った問題が出てくる。
もし、「不必要・偶然・最悪!」と捉えたら、苦しい苦しい大変な人生になる。
パーマカルチャーでは「問題は解決=Problem is solution」とよく言う。
問題が見つかれば、解決できる。問題を見つけるのが難しいのだ。
特に自分の考えの不自然なことには気づきにくい。
外部をいじって、一生懸命外部を変えようとするが、内部は放置、一向に自分の方に向かない。ガ-ン

自我に執着すれば、心はモヤモヤ。自分は正しい、あいつがオカシイ、社会が悪い、政治も変だ、あの企業はとんでもない等々・・・しかし、いくらそう思っても一向にスッキリしない。



これは、その人の内部(意識)の問題で、外部の問題ではないのだ。
つまり、人のせいにしない、他のせいにしない
「自立の練習」なのである。

ここをクリヤー出来れば「快適そのもの~!」
腹の立たない人になって、誰とでも仲良く出来、人の話をよく聴けて、人を思う気持ちが滲み出てくる。
こんな人たちが集まったコミュニティが本物の「コミュニティ」と呼べるのである。

最近、とても希望の持てる本を読んだ。
パーマカルチャー仲間はよく知っているのだが、1994年、富士山の西の麓に創立された「木の花ファミリー」が出版した
「血縁を超える自給自足の大家族」

ここは、世界のエコビレッジの中でも極北かも知れない。
80名もの人が普通の家族のように財布一つでやっているのだ。
しかし、決して特殊な人達でもなさそうだ。
ただ、何かあっても人のせいにしない、仲良し大家族なのだ。やはり、相当に自立した人達であろう。毎日が楽しくて、やりたいことを思い切りやっているようだ。
ただ、さらにどんどん大きくなったらどうなるか、どうするかは今後の課題ではあろうが・・・



エコビレッジもここまで進化したいものだ、いくらかたちを整えても、いかにエコな暮らしをしても、一代限りで持続可能とは言えない。

3.11以来、我々が学んだことはこういうことではないか。びっくり!!
  


Posted by 半農半Xの仕掛け人 at 19:02Comments(0)生き方・考え方

2012年05月11日

今、三重県が面白い、凄い!・・・①ありんこ農苑

今、何故か三重県が元気なのだ。チョキ
三重県は本州の真ん中辺りに位置し遷都候補地でもある。
一般的に伊勢神宮が最も知られているが、伊勢志摩国立公園の真珠やスペイン村、鈴鹿サーキットもある、忍者で有名な伊賀の里、桑名の焼き蛤や松坂牛も有名だが、これは観光案内ではない。

これからの日本を、世界を変えていくほどのパワーを秘めた人達が活躍し始めている。そんな元気な人達やグループを案内したい。その中で今回は5か所程順次取り上げてみたいと思う。

まず初めは「ありんこ農園」だ。

昨年2011年秋、紅葉の綺麗な季節に京都のRKさんにお世話戴いて訪れた。
伊勢志摩スペイン村にほど近い温暖な気候と風光明媚な磯部町という所だ。
オーナーは森下雅子さん、有名な象設計集団にいた建築家で、パーマカルチャーに出会い、今は自分で設計した循環型エコ住宅に旦那様と2人で住んでおられる。
眺めの良い広い農園で自給自足のエコ生活だ。私も建築家で、以前から森下さんの住宅を一度見てみたいと思っていた。



東側の眼下に磯部の町並み 農村のような雰囲気、これは余談だが、近くに皇大神宮別宮の「伊雜宮」があり林の奥にある静かな内宮は伊勢神宮と同じく式年遷宮が20年ごとに行われる由緒正しい所で霊験あらたかな気持ちになる。



そろそろ本題に入ろう。まずありんこ農苑のランドスケープデザイン。
ゾーンプラン パーマカルチャーのゾーニング手法で2,000坪ほどの敷地をZone1~Zone5まで細かくデザインされている。
太陽の動き、四季の風の方向、眺望などが考慮され、家を中心に、5つのゾーニング。歩行距離によって機能が決定される。キッチンガーデン・育苗ハウス~野菜畑~果樹園~竹林・雑木林、キノコ栽培~自然林・植生保護。自然に即してとても合理的(自然の理に合っている)。



森下さんち 畑からの全景
所謂、パッシブソーラーハウスと呼ばれ、機械をなるべく使わずに、建築的手法で太陽や風雨等の自然を最大限活かして造った住宅である。
木造2階建て、屋根に太陽熱温水器が見える。1階部分は草屋根、居間の外側は下屋やパーゴラ(蔓棚)があり、日差しをコントロールできるようになっていて半戸外の外部空間として有効活用も出来る。旦那様はここでセルフビルドをされていた。雨水タンクも見える。

太陽高度を考慮した庇の出、風の循環を考慮した吹抜けや高窓、断熱材には籾殻を使用。
台所とダイニングはコンクリートの三和土土間で下足のままで使い勝手が良い上に蓄熱層にもなっている。
壁は籾殻入りの漆喰塗を自分たちでセルフビルドとのことである。



住宅の概念図


裏のだんだん畑は果樹園でZone3だ。 石積みとは凄いですね汗



森下雅子さん
とても気さくで話好きな思いやりに満ちた方である。初めて訪れたにも関わらず2階のゲストルームに泊めていただいた。



ダイニングより対面型キッチンを見る 台所仕事中でも会話が弾む。床はコンクリート土間で昼間蓄熱された太陽熱を夜間放出し循環。部屋中暖かいラブダイレクトゲイン)。



上部吹き抜け 空気の循環装置



2階から畑を見下ろす。1階部分の屋根は草屋根で土嚢で堰き止めてある。 旦那様セルフビルドの小屋も見える。



写真はないがトイレもコンポストトイレで、糞尿を分けて液肥や堆肥として畑に利用。
水道以外にも天水、井戸水も適宜使用されている。

WOOFERも時々受け入れられているし、ワークショップや見学会も時々開催されているようである。
これからの持続可能な一戸建ての住まい方の見本となる家である。機会があれば一度ご覧あれ!ハート  


Posted by 半農半Xの仕掛け人 at 19:26Comments(0)その他