てぃーだブログ › パ―マカルチャー  in the age of “AI・BI・CI” › パーマカルチャーの世界

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2017年03月22日

パーマカルチャーの世界❻-3 ➌ コミュニティデザインのフルーツ

3-1「心」人間の最重要課題で、意識を≪愛・調和≫に進化させることにある。人の第3の本能である《人に喜ばれると嬉しい》心で充満されれば世界は幸福一色の世界になるだろう。ここに至るために知性と身体を磨くこと
  津端夫妻は自己主張や欲も執着もなくサラリと暮らして素敵

3-2「人文科学」の枝葉 理性・知性と想像力を最大限に生かしていく
●「研究機関」は宇宙自然界、社会、人間の本質を見出す研究・会議の場。
●「サイエンズ」は特に社会、人間に関して今までの既成観念にとらわれずZEROから人なら誰でもが望む社会の研究機関である。
●「学者村」は専門家が居住する村で、研究に没頭できる環境が整備される。

フルーツ・自然システムの探求 ・パーマカルチャーの基本「観察/伝統智/科学的思考」 ・生命・共同体感覚 ・人間と社会の本質の研究 ・非信非疑 ・人工知能 ・自発的自由意志 ・インテグラル理論 ・バイオパーク ・wikipedia ・google ・波動の法則 等々


3-3「身体」の枝葉  感性・品性を磨き創造力を働かせ願いを叶えて行く。
●「ヨガ・合気道」自然と一体になる動きの中で体得していく。
●「ホリスティック医療」今までの部分的対処治療ではなく身体の総合的な観点からの治療と予防を目的とした健康指導。
●「瞑想」心の安定と癒しを目的としたメディテーション


フルーツ・心身共に健康正常 ・茶道/書道 ・整体 ・セルフケアー ・生き甲斐 ・ジェンダー ・ヒーリング ・ホロトロピック ・自然分娩 ・尊厳死 ・予防医学 ・健康な肉体 ・身体を整える ・絶対的安心 ・公利公欲 ・自分発見 ・内観法 ・精神の安定 ・ファスティング ・仲良し ・悟り ・座禅 ・色即是空 ・スピリチュアル ・無所有 ・無我執 ・氣 ・一体感 ・暖い社会 等々

エピローグ:
 永続可能な社会では、いま当たり前に必要とされる職業の中でなくなってしまうものは多いのかも知れない。例えば軍隊、警察、裁判所、銀行、病院、宗教、占いカウンセリング・・・等々
 これまで20回に亘って書いてきた「パーマカルチャーの世界」これで一応完結とします。長い間読んでいただき有難うございました。
 今後は、各フルーツのことについても少しづつ書いて行く予定です。現状の世界情勢は政治的にも経済的にも行き詰っていて、世界的に混乱が起こり得る予感がしています。これに対しパーマカルチャーでは批判するエネルギーを実際の解決策に投入します。
 津端夫妻のように淡々とそしてサラリと自立しながら人生を楽しむ生き方にこそパーマカルチャーの世界が見て取れます。
 人類がこの危機を乗り切れるかどうかは各々個人々々の言動にかかっています。
 今話題の「サピエンス全史」にあるように権力者の歴史や経済を拡大したりするためではなく、私たちは「幸せ」になるために人生を営んでいます。もっと言えば幸せが当たり前で、もしそう感じないなら社会の仕組みの問題以前に、自分を調べ自分を変えていくことが急務ではないかと思っています。津端夫妻のように毎日が楽しく喜びに満ちた人生になることを祈って完結の言葉といたします。



  


Posted by 半農半Xの仕掛け人 at 16:31Comments(0)パーマカルチャーの世界

2017年03月17日

パーマカルチャーの世界❻-3 ❷ライフスタイルデザインのフルーツ

2-1:「社会科学」人の繋がり、関係性を追求する学問である。社会は人の集まりなので人の研究とも言える。人の本質を探究しみんなが自己を発揮し幸せに仲良く暮らせる社会を模索していく。このフルーツは5章に記したので省略。

◍2-2:「仕事・遊」の枝葉
●「適材適所」社会の成り立ちの基本だ。優劣や給与の格差で決めるのではなく、一人ひとりの天職「X」を見出し、その人を最大限生かすことがその人にとっても社会にとっても意義のあることとなる。
●「協働・傍楽」働く目的は周りの人を楽しくすること。「異業種交流」共に楽しく働く。
●「特技・趣味」一人で楽しむのも良いが、「人にしてあげられること」と、逆に「人にしてもらいたいこと」とのマッチングがその人も他の人も活かされ生活を豊かにする。


フルーツ活かし合い ・TT運動 ・多様性の認承 ・上下無し ・専門分野 ・地域共同体 ・本当にやりたい仕事 ・役割 ・NPO/NGO ・ワークショップ ・仕事のシェアー ・週休5日制 ・支え合い ・SNS ・コープ経営 ・人を聴く ・直売所経営 ・ファーマーズカフェ ・楽しいだけの世界 ・共同の育児/介護 ・民泊・エコツーリズム 等々


◍2-3:「農林水産」の枝葉
●「コミュニティガーデン」は共同住宅で庭がない家庭に一緒に営む市民農園
●「自然農」大量に作らなくても心を込めて作る地産地消の地域循環型の農家。生産性よりも自然の妙味や生きる意味を追求する農業。
●「自給農」パーマカルチャーの基本で、自分が食べるものは自分で作り自立を目指す。自分の食糧を自ら生産する自給農は自立する最初の営みだ。就職しなくてもオフグリッドしても生きていける。また地域の人々と一緒にやるコミュニティ農園は農薬や化学肥料を使わない安全安心な野菜を作るだろうし健康の為にも良い。スポーツジムに行ったりウォーキングに励む必要もない。農作業自体が健康に良いトレーニングだ。
農の実力を挙げれば有機肥料も使わない自然農に向うだろう。自然の奥深さも感じられる生き方に結び付く。


フルーツ物々交換 ・アグロフォレストリー ・クラインガルテン ・おばあちゃんの知恵 ・恵み合い ・食糧の自給 ・オーガニック ・狩猟採集 ・旬彩旬消 ・PC10 のキーワード ・身土不二 ・地産地消 ・種の保全 ・菌の世界 ・少量多品種栽培 ・半農半X ・PC21のアイディア ・マクロビオテック ・自給自足 ・百一匠 ・野性的文化人 等々

➡ コミュニティデザインのフルーツに続く  


Posted by 半農半Xの仕掛け人 at 19:30Comments(0)パーマカルチャーの世界

2017年03月09日

パーマカルチャーの世界❻-3  ➊環境デザインのフルーツ

◍1-1:「自然科学」は自然の解明で自然界の循環性と持続可能性を追求し人間社会の暮しに役立てることが目的である。今までこの科学と科学技術の分野が最も発達して来た。このフルーツは6章-1に記したので省略。


◍1-2:「土地・資源」の枝葉
●「風土・地形」モダニズムのように世界中どこに行っても同じデザインではなく、地域の特性を活かした、持ち出さず持ち込まず地産の材料を使用し地域の風土に適した独自の環境デザインが求められる。地形を生かし機能を最大限発揮させる関係性のデザイン。
●「適正規模・適正配置」コミュニティの規模には適正がある。人の人数ではおよそ100名前後くらいが良いと言われている。構成する人々で特徴あるコミュニティがつくられ一人ひとりの適正や持ち味によって役割が自ずと決められていく。
●「再生可能」自然の仕組みを観察し、エコで循環可能なエネルギーシステムを使う。


フルーツ:ランドスケープデザイン ・地域デザイン ・バイオリージョナル ・PC10のデザイン原則 ・パターン/リズム ・ビオトープ ・太陰歴/二十四節季 ・バイオテクノロジー ・ゾーニング ・自然エネルギー ・Mottainai ・自給エネルギー ・宇宙太陽光発電 ・再生可能エネルギー ・植林/自然林業 ・光合成 ・生物循環モデル ・里山文化 ・ローカリゼーション 等々


◍1-3:「建築・道具 人工物」の枝葉
●「エコロジー」地球の生態系に添ったシステムやエネルギーのありかた。
●「環境共生」自然素材、環境保全、周辺との親和性、健康で快適。
●「循環型」自然の仕組みを知りモノの環境を循環型にすることが持続可能性に結びつく。


フルーツ:適正技術 ・古民家再生 ・自転車交通 ・再利用/再生利用 ・セルフビルド ・ブリコラージュ ・カーシェアー ・ホメオスタシス ・田園都市 ・動的平衡 ・保育/介護施設 ・コウハウジング ・パッシブソーラー ・エネルギーの自給 ・エコシティ ・温故知新 ・エコビレッジ ・バイオミミクリー ・自然素材 ・ゴミ無し ・ガイア仮説 等々

➡ 『ライフスタイルデザインのフルーツ』 に続く
  


Posted by 半農半Xの仕掛け人 at 07:37Comments(0)パーマカルチャーの世界

2017年03月07日

パーマカルチャーの世界❻-2 『パーマカルチャーの実』

 いよいよ「パーマカルチャーの世界(パーマカルチャーの実)」の最後の章で、後3回に分けて実働のアイテムを記述する。最もこれはホンの一部だが、目安にはなると思われる。
(また、各フルーツについては後程の「パーマカルチャーの実践」シリーズにて記述予定で、かなり長くなりそうで怖い(●^o^●))。

 人類は2足歩行をし始めた時、大地(自然)から離れはじめた。それでも当初の500万年位は(道具を使いながらも)他の動物と同じく狩猟採集でやってきたが、僅か1万年程前あたりから農業を手に入れ、蓄え所有することを知った瞬間に、大きく文明化に舵を切り、野生では生きて行けない生き物となった。それでも生産者としての生き方を身に付け得れば持続可能だったが、現代のように消費だけの生き方に陥ると生命力は衰え自意識だけが発達しエゴ満載の社会となり存続が危なくなる。

 パーマカルチャーは「生産者になろう」「里山をつくろう」という活動でもある。このことにより自然の営みが理解できるし、世界と繋がっていることが実感できるのである。
 津端修一(建築家)さんは近代化された不毛の高蔵寺ニュータウンに里山のモデルをつくりたかった。

 「風が吹けば枯葉が落ちる。枯葉が落ちれば土が肥える。土が肥えれば果実が実る。・・人生フルーツ!」



 先日Facebookで戸谷夫妻(ウエル洋光台)の投稿は新約聖書のヨハネ伝15章4,5節からの言葉を引用されていた。
「わたしにつながっていなさい。・・・・・
わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。もし人がわたしにつながっており、またわたしがその人とつながっておれば、その人は実を豊かに結ぶようになる。わたしから離れては、あなたがたは何一つできないからである。」


わたしはクリスチャンではないが何かズッシリくる言葉である。

最後の曼陀羅絵図(最終形態)である。画像では少し読みにくいかも知れないが、近い将来、講座かワークショップでお渡しできる日もあるかもしれない。

  


Posted by 半農半Xの仕掛け人 at 16:29Comments(0)パーマカルチャーの世界

2017年02月22日

パーマカルチャーの世界❻-1 『パーマカルチャーの実』

 パーマカルチャーの世界を表す為に《曼陀羅絵図》を作成しているが、より具体的にイメージする為に果樹(フルーツ ツリー)のイラストで表現してみた。(パーマカルチャー(創森社)の本P25「木の様々な機能」に加筆させていただいた)。

 まず大地(土壌)があり、種が土壌の環境で生育するように、人は育った場所の「文化・文明」の環境に大きな影響を受けながら成長していく、また本能(個の保存・種の保存)があり目指すは《》である。

 人生は「モノ」「コト」「ココロ」で成り立っている。果樹の幹(大本)になるのが「コミュニティ・デザイン(ココロ)」である。
 そして最初の双葉が太陽の恵み(愛)を受けて光合成し成長していくように、人には「環境デザイン(モノ)」と「ライフスタイル・デザイン(コト)」の双葉が必要となる。さらに進んで人間社会ならではの「経済」「教育」「芸術」という成長を促す3本の枝が育つ。人ならではの知性と感性の開花である。目指すは《天》である。

●【環境デザイン】の枝の先に「自然科学」「建築・道具」「土地・資源」等々の枝が出てきてこの先に様々な枝葉が出てくる。例えば・・・
・【自然科学】の枝葉には「物理」「化学」「生物学」「地学」「技術」「産業」等々。
・【建築・道具】の枝葉には「エコロジー」「環境共生」「循環」等々。
・【土地・資源】の枝葉には「再生可能」「適材配置・適正規模」「風土・地形」等々。

●【ライフスタイル デザイン】の枝の先には「社会科学」「仕事・遊」「農林水産」等々の枝が出てきてこの先に様々な枝葉が出てくる。例えば・・・
・【社会科学】の枝葉には「考古学」「民俗学」「人類学」「言語学」「政治・経済学」等々。
・【仕事・遊】の枝葉には「適材適所」「協働・傍楽」「趣味・特技」等々。
・【農林水産】の枝葉には「コミュニティ ガーデン」「自然農」「自給農」等々。


●【コミュニティ デザイン】の枝の先には「人文科学」「心」「身体」等等の枝が出てきてこの先に様々な枝葉が出てくる。例えば・・・
・【人文科学】の枝葉には「哲学・思想」「心理学」「歴史・地理」「宗教学」等々その先に「研究機関」「サイエンズ」「学者村」等々
・【】の枝葉には「魂」「霊性」
・【身体】の枝葉には「ヨガ・合気道」「ホリスティック医療」「瞑想」等々


 これら枝葉の先に豊かな≪果実≫がたわわに実る。自分が好きでやりたい果実を満喫謳歌すれば幸せな人生となるだろう。この果樹の構造はツリー構造で表現されているが実は全体で一つ(アズワン)のセミラティス構造で相互に密接に関連し合っている。


      左がセミ・ラティス構造、右がツリー構造

 1970年代にビル・モリソンが掲げた「パーマカルチャーの木」、その後デビット・ホルムグレンが掲げた「パーマカルチャーの花」そして今回の「パーマカルチャーの果実」。共通点は
 「食べられる森づくり」・・これは象徴的な言い方であるが、パーマカルチャーの目標は世界中を「食べられる森」にすることである。つまり、人は労働しなくてもどこでも食べ物が豊富にあり、貧困者を無くしモノの争奪による争いを無くして行けば次第に格差もなくなり「世界中が住み良い楽しい社会」になることを描いていると解釈できる。

 人は人間ならではの仕事や活動、クリエイティブなこと等に人生の大半を使う豊かなライフスタイルの実現を通して「人に喜ばれると嬉しい」本能の存在にに気付く

 ➡ 続きは具体的な『果実』のお話し

  


Posted by 半農半Xの仕掛け人 at 14:44Comments(0)パーマカルチャーの世界

2017年02月07日

パーマカルチャーの世界❺-4 芸術:オンリーワンを目指す

芸術:「ココロ」+「モノ」

 一人ひとりのココロをダイレクトに表現するものが芸術(アート)の世界。芸術の分野は広い、絵画、彫刻、音楽、文学、演劇、映画等々、その他茶道、陶芸、舞踊、落語等伝統芸能の分野もある。共通していることは「魂の表現」で、ここにその人ならではの持ち味が表出される独自のオンリーワンの境地である。


 デザイナーや職人の仕事にもそれに共通したものがある。モノづくりが好きな人は多い。寝食を忘れて打ち込む姿に感動する。その人の思いや願いが感じられれば、受け手のココロも豊かになり自然や文化の新しい地平を垣間見ることが出来る。武道やスポーツもこの分野に入るのかも知れない。
 人それぞれ興味を引く分野は違うだろう。私の場合は建築である。建築は大きく分けると「工学」と「芸術(デザイン)」の分野があり。建築士の資格は主に工学に属する。空間に魂を入れ込むことが出来れば芸術になる。素晴らしい建築に出会うとその存在感にドキドキ感が止まらない。

 この惑星・地球がパーマカルチャーの世界になれば、多くの人は芸術家になるのかも知れない。無報酬で、名誉・評判等を気にせずに本当に思いっ切りやれる世の中になったらいいなと思う。

※曼陀羅絵図の「経済」「教育」「芸術」の大三角形が
「環境デザイン」「ライフスタイルデザイン」「コミュニティデザイン」を支え、『モノ・コト・ココロ』を豊かにする重要なアイテムである。
 
 これで「パーマカルチャーの世界」の骨格が形成できた。樹木に例えれば根が張り、幹が伸びて枝葉が成長し後はどんな「実」がなるのか。次回からこの「果実」を列記して行こう。パーマカルチャーは食べられる森づくりで樹木は果樹(Fruit tree)を主に想定している。

  


Posted by 半農半Xの仕掛け人 at 16:11Comments(0)パーマカルチャーの世界

2017年01月28日

パーマカルチャーの世界❺-3 教育のあり方

教育:「コト」+「ココロ」
 教育の目的は、『人として成長し、自己を生かし発揮する』(as one)ことにある。生活するためには最低の知識(基礎教育)も必要だろうが、一番大切なことは「人間として成長すること」で、人と社会と自然を知り、自分の持ち味(好きなこと・得意・適正・能力等)を生かす「天職」に就いて、『人に喜ばれる存在』となることが最上の人生ではないだろうか。

 人は本来学ぶこと、知ることが好きなはずで、小さい頃の好奇心に溢れた目の輝きはそれを物語っている。しかし、親が子供のペースに“イラッ!“としてその芽を潰していることや、現在の教育は競争社会の要請と相まって格差をつける教育なので、学ぶことがだんだん厭になりツマラナイ仕組みの中で長い期間“我慢”を強いられる青小年期を過ごさざるを得なくなっている。イジメ問題(不登校、引籠り、学級崩壊、家庭崩壊等々)もこの辺から起こっているのではないだろうか。
 また逆に、理解の早い人はもっと早く進級させて高度な教育を受けられるようにしたらいいのではないか。物足りない授業に付き合わされることは無い。変な平等観(悪平等)がはびこり、持ち味も能力も違う子供達を均質な枠に押し込めて評価する方がよほど不平等だと思う。大切なことは人と人に「上下」を設けないことである。実際はないのだがそういう見方が蔓延しているのである。劣等感も優越感も不要な真に平等な社会をつくって行きたい。

 人はみんな違うし、違うからそれが折り重なって、多様で豊かで伸展合適する社会になって行くのである。よく考えてみよう、自分の身の回りで自分が作ったモノがどれだけあるだろうか。衣食住はじめ、ほとんどのものが誰か他の「人」が作ってくれたもので、それに気付けば、作ってくれた人達に感謝の気持ちが沸いてくるのではないか。絶対にお金が作ったのではなく「人」が作ったのである。格差をつけて喜んでいる場合ではない。全ての人が本当に喜んでいる社会を目指したい。
  


Posted by 半農半Xの仕掛け人 at 18:16Comments(0)パーマカルチャーの世界

2017年01月24日

パーマカルチャーの世界❺-2 新しい経済

経済「モノ」+「コト」
 経済とは人々の生活を支える為に「コトとモノ」「モノとモノ」を交換し合う仕組みのことである。経済といっても、永続可能な社会では今までの資本主義とか社会主義経済かというものとは全く違う概念となる。人類は生活をより便利にするために「貨幣」という道具を考案した。生活に必要なモノ・コトを必要な時に交換できるとても便利なものであるが、昨今はグローバルな金融資本主義に陥っており、ヘッジファンドやデリバティブ等労働対価ではなく、お金がお金を生む仕組みをつくってしまった。これは富める者が益々富んで、持たぬものはますますジリ貧になる仕組みである。最近の調査では世界の人口の半分の下位層(36億人)の総資産は世界トップ8人の資産より少ないようである。このような不自然な冷たい経済の仕組みからそろそろ脱却し、
「ギフトエコノミー」(Share of resources)に転換しようという動きが出てきた。人間が作り出したシステムなら人間の手で変えることできる。
 例えば、お金を貯めたら価値が下がる(貨幣が腐る)仕組みにすればいずれ資産家はいなくなり、逆にモノゴトの流通がよくなり市場は活気づく。人は生活するのに一生に渡って困らないモノ・コトがあればそれ以上は不要である。(北欧の諸国はそれを実現しつつある。)
 それ以上貯めてもスティーブ・ジョブスが言うように、死んだら持って行けないしなんの価値もない。
 京都 龍安寺のつくばい「吾唯足知」

 今までの他人より多くの物品を追い求める貧しいココロからそろそろ卒業してもいい時期ではないだろうか。
 それより人間にしかやれないその人を生かすことが出来る社会にすれば富を蓄えるより遥かに幸せな人生となるであろう。
 ・・・とは言ってもすぐには行けないだろうから、「地域通貨」や「ベーシックインカム」、「コミュニティバンク」等の導入から徐々に移行して行けば良いのかも知れない。参考資料は沢山出ているので参照されたい。
  


Posted by 半農半Xの仕掛け人 at 13:13Comments(0)パーマカルチャーの世界

2017年01月13日

パーマカルチャーの世界❺-1  モノ・コト・ココロのカンフル剤

 社会を構成する重要機能として「経済」「教育」「芸術」がある。
これは社会が円滑にかつダイナミックに運営される為に必要不可欠な要素と思われる。
・「経済」はモノとコトとの媒体として。
・「教育」はコトとココロの媒体として
・「芸術」はココロとモノの媒体として

 パーマカルチャーの3大デザイン
コミュニティデザイン
ライフスタイルデザイン
環境デザイン
が織りなすトライアングルの周囲でこれらをフォローし活気づけかつ引き締めるトライアングル・・・なんだかとっても美しい。

パーマカルチャー曼陀羅絵図 生成過程④


次回からこの重要機能の経済・教育・芸術について記述します。  


Posted by 半農半Xの仕掛け人 at 15:43Comments(2)パーマカルチャーの世界

2017年01月06日

パーマカルチャーの世界④-4 コミュニティデザイン

➌ココロ➡〔コミュニティデザイン〕個々人の心の進化

 〇学問の分野は人文科学:哲学・思想・心理学・宗教学(宗教ではない)・歴史等々
 〇人は大きく分けると身体と心で成り立っているが、共に複雑で絶妙でこの不思議な存在を解明し尽くすことはできないだろうが、ただ快適に生きる為にはこの2つを《健康・正常》に保つ必要がある。


身体(body):人体の仕組みは驚異的に複雑で、肝臓一つとってもこの働きができる工場を作ったら東京都の面積が必要と言われている。身体を健康・正常に保つために、予防医療やヨガ、瞑想など様々に研究され実践されている。身体も頭脳も使わないと退化するし使い過ぎたり間違った使い方をすれば疲労し衰弱する。
(mind):見えないが確実に私たちをコントロールしている。ここを『健康・正常』に保つことが最重要になってくる。心は魂を介し霊性に繋がり、波動によって宇宙に繫がる。宇宙の本質(意識・意志)は「愛・調和」と言われている。1,000兆分の1の確率と言われる知的生命体の惑星=地球。この地球の歴史や生命の進化(ガイア)を知れば知るほどそう思われる。全ての人が本当に求めているのは「愛・調和」であろう。


≫  の反対語は・・・・・・・→[我欲]
調和≫ の反対語は ・・・・・・・→[対立]

 現在のこの世の中は我欲と対立で成り立っているようだ。これも本当は愛と調和を望んでのことだろうが、残念ながらこの精神では永遠に手に入らない。
「愛・調和」のこの世での現れが「互恵・共生」

互恵≫ の反対語は ・・・・・・・→[競争]
共生≫ の反対語は ・・・・・・・→[孤立]

 前期自我を経て後期自我に入った人類ではあるが、未だ世界の多くの国々や人々は競争は必要であると思い、競争することでモノ・コトが発展・進歩すると思い込んでいるようだ。しかし、この結果利権を獲得するのはごく少数の人で、残りの多くの人々は貧困と劣等感・敗北感に苛まれ、決して愉快な人生とはなっていない。これではこの世から争い事はなくならないのではないだろうか。
 今の世の中はこの『競争原理』で組織され、政治も経済もそしてあろうことか教育までもが競争原理で動いている。しかし、負け組ばかりか勝ち組でさえもストレスがたまり挙句みんな孤立していく。そのイライラ感を抑えるのに様々な法律、規則、条約罰則等をことさら整備し、そして趣味娯楽、ヒーリングや宗教等々の救いが必要とされ、守る方もさらに忙しくなる現状のようである。人類究極の課題である
『世界中の人々が住み良い楽しい社会』
になるためには、人々の心の進化が欠かせない。ケン・ウィルパーが言った「成熟した自我」へ。カタチや事柄だけを整えてもココロの問題を棚上げしていては不安定でいつ崩れるか判らない。
 今まで果たせなかった宗教の教義やスピリチュアルな啓示だけではなく、その前に、人類の叡智を結集した科学的な「人間の本質の研究」と「社会の本質の研究」。さらに自発的で自由意志の学びの場が急がれているのではないだろうか。
 そしてその先に高次元科学のスピリチュアリティも究明されていくのであろう。
【再掲載】パーマカルチャー曼陀羅絵図 生成過程➌

 第5章につづく  


Posted by 半農半Xの仕掛け人 at 16:27Comments(1)パーマカルチャーの世界

2016年12月29日

パーマカルチャーの世界④-3  ライフスタイルデザイン

❷コト ➡〔ライフスタイルデザイン〕 
      縁(生活)と願(生きる)が繋がった生き方!
 〇学問の分野は社会科学:社会学・人類学・民俗学・考古学・政治学・経済学等々
 〇具体的には「医職充」:日々の暮らし(実質経済)、健康、育児、介護、仕事、活動、学習、研究、遊び、運動、趣味娯楽等々全てのこと
 
 コトとは人為(人の思考・行為全般)。人類は長い間、生きていくために食糧は必須でこれらを獲得するために古代の人々は野を彷徨い、時には争い大変な思いをしてきた。しかし、我々人類は先人たちの努力により多くの知識や知恵を獲得し、又それを具現化する技術を育み、道具を考案して来た。現代においてはもう既に充分に整っている。ここで二つの選択がある・・・

 ①苦しかった古い時代の記憶に囚われて競争し、勝った一部の人達によって富を独占され、今まで通り反発しつつもその人達に依存して行く道(現状)
 ②ココロを進化させて自立し、地球市民全員が喜ぶ永続可能な暖かい社会づくりの道

 みんなの「知恵と心」を結集すれば、格差のない真の自由・平等が全ての人々に齎され「世界中の人々が住み良い、楽しい社会」はすぐにでも実現できるものと思う。

 はじめは少しづつ、気付いた人達から新しいコミュニティをつくり、既存の体制からオフグリッドして行こうとすることからしか始まらない。
「寄らば大樹の陰」の一見安定した傘の下で大切な自分の時間を切り売りし、仕事そのものよりも人間関係に苦慮し不平不満を言いながら奴隷のような状態で暮らすライフスタイルを選ぶのか、それとも、どんな人とも仲良くできる自立した人間になって主体的に生きていくライフスタイルを選択するのか。今、人類は大きな転換期に差し掛かっている。
 私たちに出来ることは、気の合う仲間で和気藹々の楽しいコミュニティをつくり、週休5日制のトリプルライフスタイルろ実現することで食糧とエネルギーを出来る限り自給しながら、自分の本当にやりた仕事・天職(X)をする。
 最初は賃金労働に出かけることも必要かも知れないが、徐々にコミュニティで事業を立ち上げれば、やればやるほど楽しくなり仲間も増えてくる。生活と密着した活動で楽しい人生になる生き方をしよう!・・・と言えば理想論の絵空事のように思われるかも知れないが、もう既に日本の各地で動き始めている。例えば・・・・・


   http://as-one.main.jp/suzuka/ac/

 グローバル経済が進んでも幸せになっている人はほとんどいない。その反動で近年にはナショナリズム回帰の兆候さえ見え始めている。「モダニズム+資本主義」は始めは華やかな都市景観、便利な都会生活に憧れたりするが、結局は一部の資産家に独占されているだけで、気付いたら格差が広がり資産も夢ない日常に沈殿することとなる。このことが明確に見え始めた今、共に真剣に考えて行きたい。

 どんな時でも、自分が行動を起こす時は前述の「パーマカルチャーの倫理(心掛け)」を意識することが大切になる。
①地球への思いやり Care for the Earth
②人々への思いやり Care for the Earth
③資源の分ち合い Share of the Resources

 ④-3に続く

  


Posted by 半農半Xの仕掛け人 at 15:29Comments(3)パーマカルチャーの世界

2016年12月19日

パーマカルチャーの世界④-2 環境デザイン

➊モノ ➡〔環境デザイン〕永続可能な環境づくり・モノづくり
〇学問の分野は自然科学:物理、化学、地学、生物学、技術、産業 等々
  ➡ 「パーマカルチャーの木」B.モリソン参照
〇具体的には「衣・食・住」:毎日の食料・エネルギーはじめ自然物・人工物などモノの全てで、土地、資源等の活用の仕方、建築・道具等人工物他
  ➡ 「パーマカルチャーの花」D.ホルムグレン参照
 
  人はモノがなければ生きて行けない。自然災害や原発、戦争等で被災すれば、最低必要なモノは食糧、水光熱、寝具衣類、シェルター(建物)等である。
 それらを出来る限り自給する。と同時に地域に繋がるコミュニティを形成し、共に生産し地域で循環するシステムをつくること。・・・ということで、今までパーマカルチャーは「モノ」の生産とそれらを齎す環境デザインに重きを置いてきた。このことに関する知識・知恵・技術等は蓄積整備されていている。


 左の緑の本がB.モリソンが著した原点。右の水色の本は日本向けに書かれたテキスト。真ん中の本が最も読みやすく、全般にわたって解説された入門書で是非読んでみられたい。

 パーマカルチャーは地球生活に適った居住環境・ランドスケープのデザインで、下記のごとく10の原則・手法がある。世界中を「食べられる森」にし、食べ物で困る人がいない世の中にする目標を掲げている。

■デザインの10の原則
1、繋がりのある配置:自己自律的循環システム。多様だがゴミが出ない互恵的調和社会。
2、多機能性:「形状、耐性、用途」等、「個性、ニーズ、産出物」等機能を組み合せる。
3、多くの要素で重要機能の維持:人間の基本的欲求を確保するため複数のバックアップ。
4、効率的なエネルギー計画:ゾーン、セクター、スロープ、方位等の潜在能力を考慮。
5、生物資源の活用:動物の特性や機能を最大限活かす。化石燃料、肥料や農薬等不使用。
6、エネルギーの循環:太陽、水、風のエネルギー活用と再使用、再利用のシステム構築。
7、小規模集約システム:土地や天然資源を効率よく活用する。自給自足は生存の基本。
8、自然遷移の加速:食べられる森の生態系をつくり安定的な生存環境をつくりだす。
9、接縁効果:エッジが多くなればなるほど生産性は高い。複雑性、微気象をつくり出す。
10、多様性:自然は多様性を志向している。複雑であるほど安定する。違いを尊重する。

詳しくはこのブログのカテゴリー「パーマカルチャー倫理・原則」で17回にわたって記述しているので参照ください。

http://wellplan.ti-da.net/e2214569.html

④-2に続く

  


Posted by 半農半Xの仕掛け人 at 19:17Comments(3)パーマカルチャーの世界

2016年12月12日

パーマカルチャーの世界④-1  デザインプロセス

このシリーズも第4章。4回に渡って記述します。

永続可能な世界へのデザインプロセス
                  パーマカルチャー・デザイン
モノ  自然界及び人工物(物の全て)   
 認識過程 ↓ ↑ 表現過程  ←・・PCの知恵・知識・技術等
コト  人為、人間の活動全般(事柄)
 認識過程 ↓ ↑ 表現過程  ←・・PCの3つの倫理(心掛)
ココロ 人の理性・知識・感情・意志等の全てを(「愛・調和」「互恵・共生」の精神で)

認識過程】人はこの世に生を受け、様々なモノや周りのヒトと接しながら、生きていくために必要なことを取得・習得していく。

表現過程】その後、自分の欲求や思いを外に向かって表す。ここにコミュニケーションが発生するが、文化や観念の違いにより、相手のココロに寄り添わないと理解できないことが多い。

そこで、パーマカルチャーではこの両方の過程において
〔PCの知恵・知識・技術等〕、
〔PCの倫理〕という愛・調和のフィルターを通す。

  パーマカルチャー曼陀羅絵図 生成過程➌

次回は「環境デザイン」について  


Posted by 半農半Xの仕掛け人 at 09:58Comments(0)パーマカルチャーの世界

2016年11月26日

パーマカルチャーの世界③-3  縁・願

■〈縁〉から〈願〉へ
 人の暮らしに必要な(これなしでは生きて行けない)ものとして「衣食住」と「医職充」がある。食や子育てに関しては人類のみならず、あらゆる動植物や微生物まで行っていることであるが、人類は文化を育み衣・住・職・充までつくりだした。
 しかし、これらは自分単独では決して獲得できず、周りの人達の思いやりや関わりが必要不可欠で、これを〈縁〉と呼ぶことにしよう。
 しかし人にはもう一つの局面がある。「衣食住」や「医職充」が十分に満足されたとしても人間は決して満足できない欲求を持つことに気付く。 資産が十分にあり働かなくても美味しいものをタラフク食べて遊んで寝るだけの生活に人は満足するだろうか?これは決して贅沢な悩みではなく、人は面白いことに暇なことは多忙より苦痛を感じるようである。この正体は一体なんであろうか?
 これを求めるココロを〈願〉と呼ぶことにしよう。
生きる真の意味を考えること・・・

 人類は太古の昔から休みなく争いを続けてきた。「衣食住」と「医職充」を獲得するためである。残念ながら今でも世界の多くの場所で繰り返えされている。
 また、エコロジカル・フットプリントによれば世界人口70億人の人達が日本人と同じ生活を営めば地球が2.4個。米国人と同じ生活を営めば地球が5.3個必要と言われていて、政治家が公約し多くの人が期待している経済発展の暮らしを続けていくのは困難に思われます。
 しかし、IT技術の発達もあり多くの情報を人類が共有し始め、意識が向上している人が多くなって、世界が大きく変わろうとしている。
キーワードは「永続可能性
 これを実現するには我々のライフスタイルはどうあったらいいのか。どういうココロの持ち主であったらいいのか・・・
一緒に考えていきましょう。
  


Posted by 半農半Xの仕掛け人 at 22:09Comments(0)パーマカルチャーの世界

2016年11月25日

パーマカルチャーの世界③-2 倫理(心掛け)

パーマカルチャーの三つの基本コンセプト
モノ(Hard)・・・・ 永続可能な環境づくりの統合的デザイン体系
コト(Soft)・・・・・自分も人も活かすライフスタイルのデザイン
ココロ(Heart)・・・ピースフルに繋がるコミュニティのデザイン

 このように私たちのリアルな日常の生活(衣食住、医職充等々)の全てに渡って「永続可能な文化」を育んでいこうとするもので、思想や教義だけではなく、日々の生活に密着した『具体的なコトやモノ』において美しくそしてピースフルにデザイン、実践していこうとするものである。

■パーマカルチャーの倫理:パーマカチャーでは常に次の3項目を心掛けている。
 ①地球への思いやり(Care for the earth)
地球が他の星にない特徴は「生命の存在」である。それは進化する意志を備え多様化を志向している。人は進化の過程で森から食糧とエネルギーを得ていた。森のように全ての生命を思いやり、共に繋がることにより私たちの生活空間もより豊かになっていく。
 ②人々への思いやり(Care for the people)
真に格差のない自由・平等な「社会」を築き、豊かな恵みを提供し続ける「自然」の循環の中で共生し、孤立しないで仲良く繋がり合う「コミュニティ」を形成し、人間ならではの統合された「文化」を共に創って行く暖かい家族のような空間を築く。
 ③資源の分かち合い(Share of the resources)
自立した人(百一匠)になり合って、全ての人々を豊かにする経済のあり方「ギフトエコノミー」への転換を志し自分の人生を豊かに使う。自然と人の恵みを特定の人間や集団が独占する経済の仕組みから脱却し、全ての人々が資源を共有しながら、より豊かなものへと育ててゆく。

永続する文化の創造
 生命は個として、種として、又生態系として進化し続ける。個の死や種の消滅を超えて生き続けることが生命の本質で、事実、環境との共進化で実際に具体化されている。
 人間の「理性と感性」の統合に基づく想像力と創造力の相互触発により、愛・調和の永続する社会の実現を人々は願っている。
 人にはその人にしかない天職(X)があり、個人的趣味に沈殿することなく、コミュニティに結びつくことで、その人は活かされ、文化の生成過程に共に参加し、生きている意味を実感し、個人と地域が尊重されるかつてないホリスティックな新しい「文化」が現れる。


  みんなでつくっていこう  


Posted by 半農半Xの仕掛け人 at 20:01Comments(0)パーマカルチャーの世界

2016年11月18日

パーマカルチャーの世界③-1 倫理(心掛け)

パーマカルチャーの根幹

・永続可能:自分の思考(思い・考えていること)と行為(なすこと・行うこと)が永続可能なことであるかどうか。
・循環:自然のシステムは循環を基本にしていて、留まることもなく無くなることもなく常に変化している。ここにココロを合わせる。


新たな「文化」の構築(モノ、コト、ココロ)
 永続可能で豊かで楽しい人生にする為に、今までの先入観や固定観念を見直し、新しい「文化」を育む
 私たちの生活空間の周りには社会環境とそれを包んで自然環境があり、普段はあまり意識されないが、全ての人は否応なくこれらにより人間観・社会観・自然観つまりその人なりの「世界観」を築いている。この観念を「永続可能な文化」に高めるためにパーマカルチャーの精神を学んで行きたい。

 私たちのリアルな暮らしは「モノ」と「コト」で埋め尽くされている。ここではモノとは物質全般のことで、コトとは人のなすこと(人為)全てを指している。例えば・・

 ◆仕事(コト)をして衣食住(モノ)を手に入れたり、また学んだり遊んだり眠ったり等々、人は常に何か「コト」をしている。
 ◆モノも自然物と人工物とほぼ無限にある。その中からその都度選択しながら生きて行く訳だが、その元となっている判断の基準が「文化」との応答により培われたそのヒトの「ココロ」である。
 ◆ココロとは一般的に「精神作用」つまり知識、観念、記憶、思考、知恵、感情、意志、等々の総体を指している。あまり意識的ではないし、正しいこと当り前のことと思っているが、どんなココロかによって、自ずと行為(コト)が変わってくるし、選ぶモノも変わってくる。今ある自分の世界は「ココロ」がつくりだしているといっても良いだろう。
 

 ◆自分を調べ、自分を知り、自分を変える
 本当は人は楽しく平和に過ごしたいのだが、悩み(苦しみ)は尽きないようである。この時自分のココロに向えば解決するのだが、とっさに相手や状況・条件等、他のせいにしがちである。特に「人のせい」にして解決したようにすることが多い。
 元の自分のココロをそのままにして周りを変えようとしても無理があり、苛立ちと不満が充満し気分がスッキリしない暗く悲しい人生となる。本人も本当は望んではいないのに何故こうなるのか、ここは一言では言い尽くせない内容があるが、一言で言えば日常を離れてゆっくりとココロを高める本を読むあるいは学びの場で「自分を調べる習慣」を身に着けよう。ここが解決すれば快適で愉快な人生になる。

 このことについては又、別の機会に譲りましょう。 
 次回に続く
  


Posted by 半農半Xの仕掛け人 at 19:58Comments(0)パーマカルチャーの世界

2016年11月10日

パーマカルチャーの世界⓶-2 原点

 建築家としても有名なバックミンスター・フラーの「宇宙船地球号操縦マニュアル」の日本語訳本が1985年に出版された。
 そして、2006年「パーマカルチャーしよう!」糸長浩司監修の日本初の本が紹介された。パーマカルチャーの全体をカバーし入門書としてとても読みやすい本なので一読をお勧めします。


  人は本能に無自覚ではあるがシッカリ支配されている原点である。
 ガイア仮説:1960年代NASA(アメリカ航空宇宙局)のあるプロジェクトで大気学を研究していたジェームズ・ラブロック教授が提唱したもので、地球に生存する全ての生態系が一つの生命体ではないかとする魅力あふれる仮説である。
 地球に住む生き物(生命体)は大きく分けると3種類で、それぞれ役割があり密接に繋がっている。
 植物は「生産者」、動物は「消費者」、微生物が「分解者」と呼ばれる。
 まず生産者としての植物は太陽(光・熱)、雨(水)、空気(CO2)、土壌等の地球自然環境の中で生育しそれを動物が食糧として生きている。動物の中には肉食系もいてそれぞれ保ち合い数のバランスがとれて生存が維持されている。
 その動物達の排泄物や死骸、また植物の亡骸等も微生物が分解して土に戻し、その中に含まれる栄養素等が植物の根によって吸収され育ち、それをまた動物が食べる大きな循環になっている。このように密接な関係性の中で相互作用を繰り返し環境と共進化しながら
共存している。


 そして、生き物には「本能」と呼ばれるもの(意識・意志=生命)が備わっている。
  1、個の保存:命がある限り生き続けて行く
  2、種の保存:子孫を残し、命を次代に繋ぐ


 人類も同様で、思い為すことほとんどはこの本能で説明できるが、知能が進化した人間は少し異なる様相を呈していて、マズローが分析したように「社会的な欲求」や「自己実現の欲求」等が加わって様々な現象が見られる。が、やがて、長い歴史の中で脳が進化し人類の中にもう一つの本能が加わった。 
  3、人が喜ぶと嬉しい
 これは「共感」と言われ人間以外の動物には見られない。1と2が「自利」であるとすれば、3は「利他」と呼べるもので、1とは反対の概念が併存していることになる。
 仏教では「自利利他」と言われ、自分が幸せになってから他の人を幸せにする。ではなくて、他の人を幸せにすることで(ついでに)自分が幸せになるという意味だそうである。
 まさに、パーマカルチャーの原点はここにあるのではないか。
 ここを外すと正義感や名誉が先行し、訳が解らなくなるので心したいものである。
  


Posted by 半農半Xの仕掛け人 at 07:37Comments(0)パーマカルチャーの世界

2016年10月31日

パーマカルチャーの世界⓶ー1 テーマ

テーマ:人類の課題「世界中の人々が住みよい、楽しい地球社会」づくり

 人は一人では生きて行けない、人間にすらなれない。ひとと共に生きることによってはじめて心身ともに豊かで幸せな人生となる。
 しかし、現実の身の回りには他の人がいるがために悩み(苦しみ)が多いようだ。この世での三大悩みは
1、人間関係(ココロ) 2、仕事・お金(コト) 3、身体・健康(モノ)
 
と言われているが、その中で一番大きな悩みは1の“人間関係”だそうである。
 不平・不満、嫉妬、怒り、憎しみ等全て人間関係に起因していて、それが高じると罵声、暴力、テロ、戦争にまで発展する。
 ここを解決しない限り人類から悩み・苦しみは永遠になくならないのではないだろうか。動物さえもしないようなことを、ホモサピエンス(賢い人)と言われる知的な人類がこれではお粗末としか言えない。
 
 その解決策としてパーマカルチャーの世界を共に考えて行きたい。

 この体系は1978年にタスマニア大学(オーストラリア)のビル・モリソン教授によって考案され、世界中に着々と広がっているが、これまで「農的暮らし」をベースに新たなシンプルライフ(=田舎暮らし)の指南書として流布してきた。それは素晴らしい内容を含んではいるのだが、大多数のモダニズムに身も心も染めあげられた都会志向暮らしの人々の心にはあまり届かず、趣味的な位置づけで捕えられたようである。


 しかし、パーマカルチャーの精神を丁寧に読み取って行けば、この世の中の価値観を一変するような内容が含まれており、「世界中の人々が住みよい楽しい社会」づくりが誰にでもできる具体的な方法が示されているのである。
 また、求めればどこまでも深めることのできる知的で奥深い内容をも含んでいることに気付くのにそう時間はかからないだろう。


       ビル・モリソンが作成したパーマカルチャーの木と呼ばれている表

 「permanent永久の、永続する」+「culture文化」でパーマカルチャーと名づけられた。つまり単なる農的暮らしではなく
 「永続可能な文化」の創造を目指しているのだ。

 「文化」とは、ある時代の社会や民族の「風習」・「伝統」・「思考方法」・「価値観」などその地域の全ての人に自ずと伝承される精神的所産。つまり、

 「コミュニティ」(ココロ)+
 「ライフスタイル」(コト)+
 「環境」(モノ)

 の総称であり。ちなみに「文明」とは『文化』が技術や実用により物質(モノ)化したもので、快適で便利な暮らしを求めて作り上げてきた人類の物的所産をいう。ここではそう規定して話を進めていきます。
~次回に続く
  


Posted by 半農半Xの仕掛け人 at 15:06Comments(0)パーマカルチャーの世界

2016年10月13日

パーマカルチャーの世界①~プロローグ

 この漆黒の無限に広大な宇宙空間のなか、チリのように微細な惑星に生命が誕生した。最新の科学の計算では生命体の誕生は1,000兆分の1の確率であるらしい。その地球と言う惑星で46億年もの時間を経て人類(知的生命体)が誕生し今、私たちが生きている・・この奇跡を人類はあらためて自覚する必要があるのではないだろうか。

 スティーブ・ジョブズ(アップルの創業者)は、今の世の中の価値観から言えば人が羨む大成功者であろうが、彼の「最後の言葉」で次のような意味のことを述べた。
「莫大な富を得たり、出世して人が羨む地位・名誉をつかんだり、多くの人が平伏す権力を握り莫大な資産を得たとしても、死を目前にした病床の上では何の意味もない」と。
 この宇宙・自然界の成り立ちからみると現状の世界の価値観の異常さ不健康さが吐露されているようである。私たちはこの地球がつくりだした『生命』の在り方に沿った環境と、それに相応しい社会を構築していくのが自然の在り方だろうし、その必要がある。
それが「自然のシステム」と人間の「脳と心のしくみ」に合致した行為ではなかろうか。そして、そこにしか真の意味での「幸福」はあり得ないのだろう。

 さて、人の一生(=人生)は「生活する(縁)」という面と、心をもった人間ならではの希望である「生きる(願)」という二つの局面がある。今の矛盾にみちた社会機構・社会情勢の中では、生活すること自体で大変なこともあろうが、「人はパンのみに生きるにあらず」と言われるように人間には何かを求めないではいれない脳のメカニズムがある。
 ヒトの「願い」はその人の生きている環境や社会情勢によってつくられ、身近な日々の願いから、時に地球規模の大きな願いと様々だが、潜在的な究極の願いは未だ人類が実現し得ていない絶対的幸福(心の進化=意識の進化)ではないだろうか。

 この「生活する」と「生きる」の両方を満足させる試みとして「パーマカルチャーの世界(実)」という曼陀羅絵図をつくってみた。
  ・生きて行くのに必要不可欠な(モノ)『環境デザイン』
  ・生きて行く為のヒトの行為の(コト)『ライフスタイルデザイン』
  ・そしてそれらの基盤をなす(ココロ)『コミュニティデザイン』
 の3本柱で、生きる意味(願)を叶えて行く関係性を表にしたものである。

 今までの先入観や思い込みを一度外し、「宇宙・自然界のシステム」と「人の脳のメカニズム」に添った在り方でこの世界をデザインしていこう。恐らく宇宙・自然界の意志(=地球(ガイア))もそれを望んでいることだろう。 ~次回に続く
  


Posted by 半農半Xの仕掛け人 at 08:42Comments(0)パーマカルチャーの世界